法律Q&A 交際・婚約・内縁「勤労意欲のないフリーターと婚約したが、相変わらず働く気がないというので別れてしまったが、彼の婚約破棄といえるか?」

勤労意欲のないフリーターと婚約したが、相変わらず働く気がないというので別れてしまったが、彼の婚約破棄といえるか?

2年ほど前に、当時フリーターの彼から結婚を申し込まれ、婚約指輪をもらい、さらに、既に彼の署名押印のある婚姻届を渡され、私もまじめに働いてくれることを期待して結婚を承諾しました。ところが、その後も彼は定職を探そうともしないので、問いただすと、「働く気がない」と言われ、結局そのままお付き合いがうまくいかず別れてしまいました。彼に対して婚約不履行で損害賠償請求はできますでしょうか。



婚約は口約束でも成立します。その場合、相手がしらを切った時に、口約束の立証が難しいわけですが、あなたの場合、婚約指輪の授受や彼の署名押印のある婚姻届も渡されたというのですから、これらが現存していれば、婚約成立の立証も十分に可能であると思われます。問題は、彼の側の婚約不履行があったと言えるかです。あなたが、勤労意欲のない彼に愛想を尽かして別れたのであれば、彼の婚約不履行というよりも、あなたの側からの正当な理由のある婚約破棄または合意による婚約解消ということになり、損害賠償請求は難しそうです。ただ、彼がまじめに働くと約束しながら、これを全うせず、その結果として破談になったのだから、どちらが別れを言いだしたかによって180度結論が変わるのは不条理ではないか?というのももっともな疑問ですね。確かに、彼の心変わりにより、意図的に当初の約束を破って働かず、あなたから別れを言い出すのを待っていたというような事情であれば、婚約不履行の余地はありそうです。ただ、その場合、かような事情を裁判で立証するのは相当困難であると思われます。立証の問題を別にすれば、ちょっと乱暴な線引きかもしれませんが、彼の側に婚約を維持する意思があったかどうかが一つの目安かもしれません。つまり、彼がもとからだらしない性格で、あなたとは結婚したくても、どうしてもまじめに働くことが出来ないでいる間に、破談になったのであれば、婚約不履行という線は薄くなるでしょう。反対に、彼の側に心変わりがあって、あなたがプロポーズを受けた条件を彼がまじめに働くことであることを知りながら「働く気がない」などというのは、広い意味で約束違反があり婚約不履行の可能性が生まれると考えられます。質問からは、具体的な事情がわからないのでこれ以上は申し上げられませんが、2年を経過した今でも、「くだらない男と結婚しなくて済んで良かった」くらいに割り切れないならば、一度弁護士会の法律相談などでご相談されてはどうでしょうか。



執筆日20010809

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