法律Q&A 法人破産・再生・債務整理「取締役の一部が反対している場合の破産申立」

取締役の一部が反対している場合の破産申立

当社は、不動産投資の失敗から不渡り事故を起こし、銀行取引停止処分を受けましたが、その直後から、会社代表者が会社を再建すると称して金融屋まがいの人間を会社に迎え入れ、会社の財産に細工をしている模様です。私を含めた取締役は、このままでは会社財産が散逸してしまうので、自己破産による手続きにより整理をすべきと代表者に諫言しましたが、一向に聞き入れる様子もありません。取締役全員一致で申立をすることができませんが、代表者を除く取締役全員で自己破産の申立が可能でしょうか



一般社団法人又は一般財団法人の理事、合名会社、合資会社又は合同会社の業務を執行する社員、株式会社又は相互会社の取締役、清算法人の清算人は、破産法第19条により、各自の法人について破産申立をすることができます。取締役等の全員一致で申立をする場合は、自然人の申立と同様に破産原因たる事実が一応存在すると認められるのに対し、取締役の一部による申立の場合には、破産原因がないにも関わらず、役員間の内紛等により意図的に自己破産が申し立てられるなどの懸念があるので、破産原因の事実について疎明を求めています。したがって、破産原因の事実について疎明ができれば取締役全員の一致がなくても自己破産の申立はできます。実務では、自然人の場合にも疎明を求められていることからすれば、取締役の一部による申立の場合には、より高度の疎明が求められるということになると思われます。



執筆日20000830

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